意外に身近な存在!消泡剤の用途と作用や種類


身近な場面で使用される消泡剤

消泡剤と聞いて具体的にどんなものかを想像できる人は少ないものの、私たちの生活にはなくてはならない存在です。消泡剤は、いろいろな製品を作る過程で泡が残ったり入り込むと都合が悪い場面で使われ、ごく普通に食べている食品や薬などにも使用されています。例を挙げてみると、消泡剤を使用する食品の代表的なものが、豆腐です。豆腐に泡が入り込むと見た目や食感が損なわれてしまいますが、消泡剤を使用することで、滑らかで美味しそうな豆腐ができます。消泡剤は化粧品や薬などにも使用されます。たとえば、胃にガスがたまって膨満感を覚える人のために、胃腸のガスを除く作用を持つ消泡剤成分が配合された薬が開発されています。

消泡剤の作用と種類について

製品づくりの邪魔になる泡は、界面活性物質によって引き起こされます。これは、界面活性剤が含まれる洗剤を使うと泡立ちが良いことからもよくわかります。消泡剤の作用は、泡自体を壊す破泡と、あらかじめ泡ができるのを防ぐ抑泡、できた泡同士をくっつけて液面に浮かせ、破泡作用と抑泡作用の合わせ技で泡を消す脱気の3つがあります。また、消泡剤の種類は、鉱物油などに消泡成分を入れて破泡を促進させるオイルタイプと、洗剤との親水性が高い活性剤タイプ、消泡成分を水に乳化させて入れ込んだエマルションタイプがあります。それぞれの消泡剤は、価格や即効性、持続性、環境への影響などの面でメリットとデメリットが異なるため、用途に応じた使用が必要となります。

消泡剤は整腸剤という薬の成分としても用いられています。腸内のガスの気泡を消すことで腹痛などを阻止する効果を発揮するためです。